ビーバーのダムみたいな人生:流れる知識や経験を蓄え、環境を変えるためのヒント

ビーバーのダムみたいな人生
ビーバーが好きで、YouTubeのおすすめに出てくると、ついクリックしてしまうんですよね。その中でビーバーがダムを作る様子を眺めているときに、ふと「自分の人生もあんな風になったらいいな」という着想が生まれたので、今回はそのことについてまとめたいと思います。
ビーバーは固い前歯で木を削り倒し、川をせき止めることでダムを作ります。流れ込む水が徐々に溜まることで周囲の環境が変わっていくんですね。
同じように、知識や経験を絶え間なく流れ込む川のように自分の中に取り入れ、それらを蓄積することで自分の環境を変えていく。
こんなふうに自分自身や周りの環境を少しずつ変えていける人生を送りたいと思うんです。
目次
「水たまり」「ダムのない川」「ビーバーのダム」
ビーバーのダムのように知識や経験を自分の中に取り入れて蓄積させる。これは他のパターンと比較することでも見えてくると思います。
今回は人生における知識や経験のパターンを、次の3つのイメージで考えてみました。
- 水たまり
- ダムのない川
- ビーバーのダム
水たまり
「水たまり」は、過去の知識や経験だけを頼りにする状態です。ここには川の流れがつながっていないので、新しく知識や経験が入ってくることはありません。
気温が上がれば水たまりは干上がってしまうように、この状態では環境が変わったときに対応しきれなくなるリスクがあります。
ダムのない川
「ダムのない川」は、新しい知識や経験は取り入れているけれど、それが自分の中に蓄積されていない状態です。
本を読んだり新しいことにチャレンジしたりするけれど、それが自分の環境を変えていない。得た知識や経験がただ流れ去っているだけで、自分のものにできていないというイメージです。
この部分を書いていると、自分でも心が苦しくなります。正直に言うと、私自身この「ダムのない川」の状態であることが多いな、と感じているからです。だからこそ「ビーバーのダム」の状態を目指したいんですよね。
ビーバーのダム
「ビーバーのダム」は、新しい知識や経験が自分の中に流れ込み、さらにそれらが蓄積していくことで自分や環境を変えていく状態です。
ビーバーがダムを作っても川の流れは変わらず、常に新鮮な水は流れ込んでいます。でもダムが作られることで入ってくる水の量より、出ていく水の量が少なくなる。すると、その場に水が溜まっていき周囲の様子をじわじわと変えていく。
この一見、水たまりのように動きがないような状況だけど、実は溜め込んだ水は常に新しく入れ替わっている。これが私にとっては、理想的な状態なんです。
どうやって「ビーバーのダム」を作るのか
それでは、どうすれば「ビーバーのダム」のような状態になれるのでしょうか。結論としては、得た知識や経験をもとに行動して、自分の環境を変えていくことだと思います。
川の流れを作る
実は、誰もが日々いろいろなことを経験しています。でも、多くの経験は自分の慣れ親しんだ価値観の中で処理してしまいがちなんです。
せっかく新しい情報や経験に触れても「今の自分に関係ないな」とか「よくわからないな」と拒否してしまう。こうなると少しずつ「水たまり」の状態に近づいてしまいます。
そこでまず必要なのは、自分に合った「川」とつながること。大河川(大量の知識や経験が一気に流れ込む)もあれば、ゆるやかな小川(少しずつ新しいことが入ってくる)もあります。
大河川は一気に水は入れ替わるかもしれないけど、ダムを作って環境を変えるのが難しい。一方で小川の場合はダムは作りやすいかもしれないけど、水が入れ替わり環境が変わるのには時間がかかる。
大量の知識を入れたり、なにか大きな経験をすると価値観がガラッと変わった感じがする。でも、しばらくするとまた元の状態に戻ってしまう。こんな経験は誰もがあるんじゃないでしょうか。
これが大河川でダムを作るのが難しいというイメージです。流量が多くて一見ダムが出来たように見えるけど、実はせき止められていないから、時間が経つと元に戻ってしまう。
一方で、軽く見つけた情報を元に、ちょっと生活習慣を変えてみる。これは取り入れやすいですよね。でも、こういう習慣の変化によって、実際に環境が変わるのには時間がかかります。これが小川のイメージです。
どんな川が自分に合っているかを考えて、適切な量の情報や経験を取り入れる必要があります。
ダムを作る
ダムを作るというのは前述したように、実際に行動を起こして環境を変えるということです。
ビーバーは木を削ったり泥を運んだりして、コツコツとダムを築き上げます。同じように私たちも新しい知識を活かして行動を起こさないと、いつまでたっても「ダムのない川」のままです。
ちょっと面倒で泥臭い作業ですが、この部分を飛ばしてしまうと理想の状態は手に入りません。
「水たまり」→「ダムのない川」→「ビーバーのダム」の例
一連の流れを健康づくりの例で説明してみたいと思います。
昔はどれだけ食べても太らなかったのに、年を重ねて太りやすくなった。こんな言葉はよく聞きますよね。
みんな年を重ねると代謝が落ちてきます。いわゆる基礎代謝という体温維持や心臓、呼吸など最低限生きるために消費するカロリーが少なくなっていく。
このときに年齢に応じて食事の量を調整しないと、消費しきれないカロリーは脂肪となって溜まっていきます。でも、つい今までと同じような食事を続けてしまう。
これが年を重ねると太りやすくなるひとつの要因なんです。
加齢という変化に気づかず、若い頃と同じ食事をしている。これが過去の知識やイメージのみで過ごす「水たまり」の状態です。
次に「水たまり」の状態から「ダムのない川」へと変わる状況を考えてみます。これは新しい情報が流れ込むようになった状態です。
年を取ると太りやすくなってしまうメカニズムを知り、年齢に応じた適切な食事量や栄養バランスについて学ぶ。
今まで理解していた知識や食生活が「もう今の自分には合っていない」ということに気づき、今の自分に最適な食事が、どういうものか理解する。
これが「ダムのない川」の状態になります。川が接続されて新しい情報が入ってきている。でも、これだけでは体型は変わっていないですよね? つまり環境はまだ変わっていないということです。
ここから実際に食生活を変えて体重が減ることで、初めて環境が変わったといえます。ここでようやく「ビーバーのダム」ができあがるわけです。
メンテナンスの大切さ
ビーバーは常にダムをメンテナンスしています。ダムの一部が決壊してしまうと、せっせと枝や泥を集めて補修します。
同じように、「ビーバーのダム」もメンテナンスが必要です。
新しい情報を取り入れて、今の自分に合った行動に調整しないと、あっという間に「ダムのない川」や「水たまり」に戻ってしまいます。
先程の話を例にすると、今の自分に合った食生活によって体重を元に戻せても、その生活をやめるとまた太ってしまいますよね。これがダムが決壊した状態です。
そのときに健康知識だけは勉強していたとしたら「ダムのない川」に戻ったということになります。
もし健康的な体型に戻ったからと、知識を入れることすらやめてしまう。これだと川の流れすら断ち切ってしまった「水たまり」に戻ってしまっています。
年を重ねていけば、また適切な食事は変わるし、健康の情報も常に新しくなっていきます。それなのに「一度、健康的な体型に戻れたから大丈夫」と思ってしまえば、元の木阿弥です。
つまり「ビーバーのダム」の状態を維持するには、常に川の流れがあることと、ダムをメンテナンスすることを続けないといけません。
まとめ
人生のなかで得られる知識や経験を「ビーバーのダム」に変えていくためには、インプット(川の流れ)とアウトプット(ダムを作る行動)の両方が必要です。
正直、どちらも面倒で大変ですよね。でも、ビーバーが泥だらけになりながらダムを作る姿を見ていると、その泥臭さも悪くないな、と思えてきます。
だからこそ私はビーバーが好きなのかもしれません。彼らがせっせと歯で木を削り、川をせき止めることで森の中に巨大なダムが生まれる映像を見ると、コツコツとやるだけでこんなにも環境が変わるんだと元気をもらえます。
こんな物語を自分の中に取り入れながら文章を書き続けることで、いつか自分の環境が変わっていったらいいなと思っています。
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